〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

イノダコーヒ三条支店@中京区桝野町


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京都の喫茶店の雰囲気をよく残している喫茶店
奥にあるドーナツカウンターの席をいつも利用しています。
イノダコーヒは京都喫茶店を代表する名店。
 京都にはカフェとは明らかにことなる「喫茶店」としかいいようのない雰囲気いいお店がたくさんあります。
総称して「京都喫茶店」というジャンルがあるそうです。
 繁華な場所に近いが、本店が近くにあるので観光や一見さんは少ない。
まさに京都の日常。
飲食に加え、コーヒー豆等の物販もあります。
いつもインスタントのブルマンを購入しています。
90(45杯分)グラムで2千円以上と高額だが、大変においしい。
普通のドリップコーヒーよりもおいしい。
仕事場で愛飲しています。
 
河原町周辺をぐるぐると歩き疲れ、御池の市営駐車場に戻る前にこちらに寄ります。
街歩きに疲れた体に沁み入るコーヒーは格別においしい。
ここに来てコーヒーを飲むたびに、コーヒーというのは非常に美味しい飲み物だとしみじみと思います。
イノダさんのコーヒは酸味の少ない「アラビアの真珠」という独自焙煎の豆をもとにいれています。
これを濃いめにいれて、砂糖とミルクをたっぷり入れるのがイノダコーヒのスタンダード。
酸味がすくないのですっきりした味です。
わたしはあまりコーヒーは詳しくないのですが、コーヒーって飲むとお腹の調子が悪くなったります。
でもイノダさんのコーヒーだとお腹の調子が悪くなりません。
きっと酸味が少ないからだと思います。
酸味の少ない濃いめのコーヒーに砂糖・ミルクをたっぷり入れて飲むのが京都スタイル。
京都の朝は、これを飲んでスイッチ・オン、という話を聞いたことがあります。
戦前からの京都の流儀。
深入りコーヒーを使ったなんちゃらラテなんてものが日本に定着するより半世紀以上前から、よく似た飲み方をしていたことになります。
現在でも京都の人たちは、全国屈指のコーヒーの愛飲家達です。
カフェ、バリスタなんていう流行りのお仕着せがましく座りの悪い言葉は、この街には似合わいません。
 そんな言葉が流布する遥か前からこのお店は京都三条通にあり、すっかり街に馴染んでいました。
 
三条通は寺町より西はそれほど人が行き交う場所でも、流行りのお店が立地する場所でもなかったです。
YMCA会館周辺は夜は寂しくて暗い場所でした。
最近は行き交う人々が増え、東京風の「てらいもない」お店が増えたように思ます。
しかしこのお店はずっと変わりません。
本店以上に変わらない雰囲気だ。
本店は火事でやけてしまってピカピカに新しくなってしまったし、観光客が多くなり、高田渡が唱った頃とは、雰囲気が変わってしまいました。残念です。
 
イノダコーヒはどこの店も、指定しないと砂糖・ミルク入りコーヒーが提供されていました。
いまは「砂糖・ミルク入れてもよろしいですか」と控えめに尋ねてきます。
「砂糖・ミルクいかがいたしましょう」と聞かないところに矜持を感じます。
「入れてもよろしいですか」は京都のお店らしい控えめな表現で、その心は「ここでは砂糖・ミルクを入れて飲むのが当然なのだが」ということです。
 
それでは押し付けがましいということで、「よろしいですか」という控えめな表現になるのだと思います。
これが時として「腹黒い」と誤解をうける京都人の心遣い
 言葉がそのままではなくて、いろいろな意味が入っていて暗号のようだ。
これを読み解けない人間は京都人は裏表がある、と揶揄します。
しかしそれは婉曲表現
最近の若い人が使う「大丈夫です」という断り文句と同じ。
表面上は否定していないけど、中身は否定。
相手方を気遣った結果の表現。
若い頃、イノダで京都の喫茶店文化に痛く感心した身としては「そんなんイノダさんが聞くことやないわぁ。ブラックを飲みたければコメダでもタリーズでもいかはったらよろしいやん」と言いたいが仕方ないです。
これもイノダが京都を代表する喫茶店として有名になり、全国から人が来るようになったからでしょうね。
 
素敵で確たる伝統と流儀があるけど、ふんぞり返ることもなく包容力に富んだこのお店が、全国の人々に知れることは喜ばしいこと。
 
京都喫茶店という独自のジャンルがあるぐらいなので、当然といえば当然。
 
 四半世紀も前にインスタントコーヒーしか飲んだことのなかったわたしに、素敵な流儀を教えてくれたように、多くの人々に京都の喫茶店文化を伝えてくれれば、なおいいことだと思います。
 
みなさんもイノダコーヒに砂糖とミルクたっぷりいれて、京都の朝のスイッチオンはいかがですが?

あるいは季節柄、お歳暮とかにも喜ばれると思います。

僕は職場でお世話になった方に差し上げるときがあります。

高島屋など百貨店グロッサリーでも売っているものなので確かなものですよ。

 

≫イノダコーヒonline store

 


 

 

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