更科や雄島の月もよそならん ただ伏見江の秋の夕暮れ
桃山丘陵上にあるので、京滋BP、京都高速、国道24号といろんなところから望めることができる。
このお城を見ると「伏見というのは京都とは別だての街なのだな」と思う。
酒蔵、伏見港と並ぶ伏見のシンボル。
現在の天守閣は四代目。
外観復元のコンクリート造り。
博物館的な展示をしていた。
平成15年にキャッスルランドは閉園、四代目天守閣は取毀し予定だったが、住民の反対運動より撤回。
コンクリートの外観復元ではあるが、既に伏見の風景の一部となっていた。
伏見の人間にすれば見馴れた風景が変わることは寂しい。
キャッスルランド跡地は運動公園として整備された。
耐震構造上、天守閣への立ち入りはできないが、映画等のロケーションに重宝されているらしい。
春には多くの桜が咲く。
あまり知られていないが、実は数ある京都の桜の名所でもトップクラスではいかと思う。
洛中ではないため、観光客の喧騒は及んでいない。
公園は広々としていて混雑は少ない。
円山公園はじめ京都の桜名所まで出ていって、観光客を疎ましく思いながら汲々と花見をする必要もない。
京都まで行かなくても、伏見で充分だ。
安土桃山時代の「桃山」はこのお城に由来する。
国史の教科書に記載されているお城があり、その付近には明治帝が眠る桃山御陵、山麓はアップタウンお屋敷も散見される住宅街桃山地区、国道24号より西のさらに低いところはダウンタウンの伏見大手筋界隈、酒造の街、いちばん低いところが伏見港。
伏見はひとつ街に必要なものがワンセットそろっている。
伏見よりも独自の歴史とアイデンティティーを持つ街は少ない。
貴族の別荘地、日本の首府・豊臣政権の城下町、水運の街、酒造の街と変遷しながらも日本でも歴史ある街となった伏見は「意外とすごい」と思わせるものが多い。
「京都郊外の住宅地」といしてこの街を見るのは誤りだ。
やはり伏見は面白い土地だ。僕は勝手に「伏見ワンダーランド」と呼んでいる。
私は伏見という街が大好きで、住んだことも含め四半世紀もこの街に通っている。
我が愛する不死身の街は寂れることがない。当然、街はちょっとずつ変わっていくが、雰囲気はずっと変わらない。
ありがたい。秀吉さんも、伏見が大好きだったと思う。
秀吉さんは長浜、伏見、大坂と自分がこしらえた町を大変愛した人だ。
そしてこれらの街の人達も未だに秀吉さんを愛している。
活気に溢れた気さくなこの街を残してくれてありがとう、とお礼を是非いいたい。僕は伏見という街が大好きだ。
愛する伏見のご本尊のようなものだと思っている。
永らく維持・保存してほしい。