結論:毎月の家賃は大家さん(管理会社)と交渉して下げることが可能です。
1.家賃の目安と家賃を下げるべき理由
家賃は手取りの25%程度が目安の金額とされいるようです。
手取りが20万円の方なら5万円、30万円の方なら7万5千円程度となります。
しかし安いに越したことがないのが家賃。
固定費なので少しでも安くなれば、家計はの貢献は大きいものです。
節約の基本は「項目の大きいもの」を圧縮することです。
例えば、一ヶ月に1万円使うものは節約してもマイナス1万円以上にはならないはずです。
その意味で家計の2~3割を占める家賃を削減または節約する効果と幅は大きいと言えます。
2.家賃を下げることができる根拠とは
家賃を払っているということは、貸主(大家さん)との間に「賃貸借契約」というものを締結しています。
賃貸借契約は、民法という法律に大枠が示されています。
この民放でも特に建物の所有を目的とする地上・土地賃貸借(借地契約)と、建物の賃貸借については、借地借家法が適用されます。
この借地借家法の特約がみなさんが大家さんとの間に締結した「賃貸借契約(書)」です。
この「賃貸借契約(書)」のさらに特約が「重要事項説明書」です。
平たくゆうと、「重要事項説明書」に書いていないことは、賃貸借契約書に、賃貸借契約書に書いてないことは、借地借家法、借地借家法にも書いていないことは民放が決まりとなっているということです。
この「決まり」は借主であるあなたも、貸主である大家さんも守る必要があります。
3.管理会社と交渉した実例
昔、ある物件に入居して直ぐに、水道の蛇口のゴムパッキンが劣化して、水がポタポタ流れつづけるということがありました。
管理会社に電話して、ゴムパッキンを交換してほしい旨を伝えました。
最初、管理会社の担当者は「借主さんのほうでやってください」との答えました。
私は
いやいや入って長いんだったらわかるけどパッキンってそないにすぐ悪くなるものでもないでしょ。私が入居した時点で不完全な状態だったのでは?ゴムパッキンについて借主が交換すべきというのは、重要事項説明書、賃貸借契約書、借地借家法の第何条から読むのですか?わたしには読めないですよ。私は民放601条の「賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」という条文がこれにあたるのかについて言っているんです。つまり当方は賃料を支払っているのに、大家さん側は使用収益させる義務を果たしていないんじゃないのかなぁ。パッキン壊れた分を含めたお家賃じゃないですよね?
とやんわり聞きました。
しばらくして担当者から
パッキンはこちら(大家側)で交換します。
とのお答え。
ということがありました。
あざーすっ。
4.家賃を下げる交渉ができる根拠
このようにアパートやマンションの賃貸というのは、重要事項説明書→賃貸借契約所→借地借家法→民法と読み該当する条文がないかと探していくわけです。
でも家賃なんて下げることができるの?
と思いますよね。
下げることができるかどうかは別として交渉はできます。
家賃の減額請求については、借地借家法第32条第1項に決まりがあります。
長くなりますがそのまま引用します。
建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
特約(契約書、重要事項説明書)に決まりがない場合は、減額請求ができる、と書いてあります。
減額請求の理由としては条文の前のほうに書いてあります。
平たくゆうと租税負担の軽減、つまり大家の支払う固定資産税が安くなった場合、近隣の他の物件の家賃が下がっている場合は、契約時の家賃の減額請求ができるということです。
5.減額請求の具体的準備
下げられることがわかったところで、請求するための具体的な準備です。
5-1 「租税その他の負担の増減」について調べる。
租税というのは、大家さんが市町村に払っている固定資産税のことです。
いわば家賃の原価を構成する要素です。
税金、土地代、建物建造費が家賃の原価を構成するものです。
これに大家の儲けが入るわけです。
土地代や建造費はいまさら下りません。
しかし税金は下がります。
固定資産税は土地については1年ごと、建物については5年ごとに見直しがなされるためです。
固定資産税の算定については、市町村が行っています。
5-1-1 土地への固定資産税について
土地の固定資産税はは「土地の評価額」に一定の税率をかけて求めれます。
土地の評価額は
土地の評価額=土地の面積×路線価
で求めます。
つまり「路線価」が下がれば土地への固定資産税が下がります。
「路線価 推移 (市町村)」で入れると大まかな推移がわかります。
人口減少期に入った現在の日本では住宅地の場合は、路線価が下がっている場合が多いです。
つまり大家さんが役所に払う固定資産税は下がっている場合が多いのです。
自分が調べたときも路線価は下がっていました。
5-1-2 建物の固定資産税について
建物の場合は以下の計算式で固定資産税を求めます。
家屋の評価額=評点1点あたりの価額×床面積×単位面積あたりの再建築費評点×経年減点補正率
つまり「経年減点補正率」が下がれば固定資産税が下がります。
経年減点補正率は5年程度で下がります。
つまり古い建物ほど固定資産税は安くなります。
住んで5年以上たてば、建物の固定資産税は下がっているはずです。
このタイミングや税率は市町村の租税担当課(市民税課など)に聞けば教えてくれます。
築年数等は重要事項説明書に記載があるはずです。
築年数を確認してから役所に問い合わせるとより、明確な答えが返ってきます。
建物も10年も住んでいたので下がっていました。
役所に聞いたところ、やはり「経年減点補正率」が僕が住んでいる間に2回程かわっているとのこと。
当然、古くなったので経年減点補正率は低くなっていました。
結果として大家さんが役所に払っている建物についての固定資産税も下がっていました。
5-2 近隣の他の物件の家賃 も調べる
借地借家法には租税負担の増減のほかに、近隣の他の物件の家賃の増減も家賃減額請求理由として規定されています。
これは簡単に調べられます。
不動産屋さんのホームページで近隣の事例を拾っていけばいいだけです。
広さや築年数の似ている物件を拾えばいいでしょう。
6.家賃減額請求の具体的な方法
まずはペラ1の依頼文を作成します。
こんな感じです。
これを簡易書留で管理会社と大家さんに送ります。
いきなり文書だとキツイので事前に管理会社さんに
おくりますのでよろしくお願いします。
ぐらい言っておいたほうがいいかも。
借地借家法云々はまともな管理会社なら知っているので、特に言わなくてもいいと思います。
この文書に路線価の推移とか近隣物件の事例をネットで調べて、印刷して添付すればいいと思います。
大事なのは自分として具体的にいくら下げてほしいのか明記する点です。
ずっとこちらには住みたいと思っているのですが、お家賃がちょっと高いんですよ~、あれだったらもっと安いところに写ろうかと考えています、と言い添えるのもいいかもしれません。
私は以上の方法で減額請求しました。
7.結論
私は近隣事例や固定資産税の減額幅を考えて、7万円程度だった家賃を6万円に下げてほしいとお願いしました。
結論としては、そのとき減額請求は管理会社オッケー、大家ダメということで実りませんでした。
3回目の家賃減額請求が実らなかったので、さすがに引越しました。
借地借家法の規定だと、妥当だと思う家賃を借主が収めて、あとは裁判所の調停を待つという方法がとれますが、そこまではやる気がおきませんでした。つか本当に引っ越す気満々でした。
近隣の物件の多くが古くなって、建て替えの時期を迎えていたので、新しい物件が増えたんですよね。古いのに高いすぎると思ったんです。
引越してから1年半経ちましたが、今その物件は入居者募集になっています。
ネットで昨日発見しました。
家賃がなんと1万5千円下がっていました。
あーあ、、、。
それでも入居者決まらず空きのようです。
わたしとしては今の物件気に入っているのでいいですけど。
みなさんも家賃減額請求してみて余裕のある家計で長く今の場所に住むのはどうでしょうか?
私みたいに結論ダメでもやってみる価値は大きいですよ。
失うのは調べて作業した時間、半日とか1日ぐらいです。
私の場合は、これで引っ越す踏ん切りがついたんですよ。
結果、今の物件には満足しています。
ブーブー言いながら今も住んでいること考えると、結果として得したなって思います。
仮に家賃が1万円安くなるなら、時給換算したらえらい割のいいバイトですよ。
減額後1年住んだとしたら12万円も得するわけです。
作業に8時間かかったとしても
12,0000/8時間=15,000/時間 で
時給15,000円のアルバイトになりますよ!
どうですか〜
それでもダメな場合はさっさと引っ越しましょう。