〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

なぜ関西電力(株)は国道を施工したのか、そして止めたのか?


昨年まで岐阜県揖斐郡に住んでいました。その当時は週末毎に近江に赴いていました。揖斐郡から近江へは国道303号をつかって木之本町に抜けるルートが最短です。現在は八草トンネルで滋賀・岐阜県境を越えるますが一昔前までは「八草峠」を越えるルートでした。国道に指定されていながらも通行が困難な箇所を「酷道」というらしいです。この「酷道」を通行することを趣味にしている「酷道マニア」というも人たちもいてはるらしいです。

 

滋賀県岐阜県を結ぶ国道303号線の八草・金居原バイパスが全面完成し、11月14日に開通する。従来1時間ほどかかっていた峠越えが12分に短縮される。

木之本町の山奥と岐阜県揖斐川町坂内を結ぶ幹線道路の総事業費は130億円とのこと。この費用の大半を出しているのは、関西電力である。国道なのになんで関西電力が費用負担をしているのか。そのわけを説明しよう。岐阜県との県境にある木之本町の金居原地区には、関西電力の大規模な揚水発電所が建設されることになっていた。

揚水ダムや水力発電所等の建設費は4600億円とも言われていた。その工事用道路としてバイパスが必要であったわけだ。しかし、揚水発電所建設の計画は、関電自身が頓挫させた。エネルギー事情云々と理由をつけているが、原発の夜間余剰電力を消費する大規模な揚水発電所建設から、「エコキュート」へ方針転換したからだ。だけど、地元に約束した国道バイパスは完成させなければならない。という次第で、将来もほとんど交通量が望めない区間に、超デラックスな国道が完成してしまった、というわけ。

割をくったのは、地元・木之本町である。関電から入る巨額の固定資産税をあてにしていたからだ。それが全部すっとんだ。これが回り回って、湖北の市町合併のネックとなっている。財政力の極めて弱い木之本町は、多額の町営住宅家賃滞納問題で、合併の仲間へ入れてもらえるかの「黄信号」が点滅している。

一時は「ダム課」まで設けて、全てを関電さまに神頼みしていたのに、裏切られてしまった木之本町は、同和対策の負の遺産「住宅家賃と住宅新築資金等の貸付金償還」にあえいでいる。