〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

大手筋商店街〜衰退しない商店街の秘密〜


京都で三番目の売上高を誇る商店街。
大手筋商店街に風呂屋町商店街、納屋町商店街(パッサージュ納屋町5番街)、龍馬通り商店街(旧南ナヤ街商店街)、中書島繁栄会が連結している。
大手筋の一筋南の油掛通にも商店が連なっている。
なかなかの面積と店舗数である。
洛南に限らず近鉄京都線沿線最大の商店街かもしれない。
高級なお店を除けば、食事する場所も酒場もたくさんある。
三大メガバンクの支店があることがこの商店街の特徴でもある。
まさに伏見の中心部と言える。
 
商店街の衰退が言われて久しいが、この商店街は元気。
徒歩圏内に京阪伏見桃山、京阪丹波橋、京阪中書島、京阪観月橋近鉄丹波橋近鉄桃山御陵、JR桃山と7つも駅があり、近隣にマンションが増え人口が増加気味なので衰退していないようだ。
周辺の不動産価格の上昇などで、客筋もよくなっているように思える。
 
この商店街に新業態、流行りの業態の小売店が同時期に数店舗立地し、やがて淘汰されていくという「大手筋の法則」と呼ばれている現象がある。
ときとして過当競になるほど出店意欲をそそられる場所ということだろう。
ドラッグストア、100均、美容室、コーヒーショップ、居酒屋、バルが一時期に増えては、淘汰されていく。
 
昔に比べてチェーン店が増えたことを嘆く向きもあるが、個人商店が廃業してシャッター通りになるよりははるかにマシだ。
この街は城下町→港町→酒造の街と構成要素を変化させながら繁栄し続けてきた。
大手筋商店街も常に社会の変化に対応することで、現在の賑わいを維持している。
 
昭和30年代後半、大都市周辺地であるゆえに大型スーパーマーケットの3店舗の早期進出という試練にも直面した。
参考にできる先行事例もなく、大資本進出の暴風を前に商店主達は立ちすくんだ。
しかし出店撤回運動をするのではなく、むしろ共生を図る手法を確立してきた。
大手筋より後に大型スーパーの進出に晒された他の京都の商店街からは融和的すぎると批判された。大手筋の商店主達はこう反論した。
 
あなた方は自らのことばかりではなく、大型スーパーマーケットの進出が消費者にはどのように受けとめられているかほんとうに真摯に考えたことはあるか、反対運動で進出を食い止めている間に商店街として消費者のためにどれだけの努力を重ねてきたのか、と。
 
お店の構成がかわっても大手筋の雰囲気はかわらない。
主婦、学生、サラリーマン、自営業者、子供、ご老人といろいろな人がいる。
人々は立ち話したり、忙しくあるいたり、当然買い物をしたり、バザール的なにぎやかさに溢れている。
整然とした綺麗さやオシャレさとは無縁であるが、猥雑で活気に満ちて庶民の生活臭が濃厚にみなぎっている。
そしてちょっとしたお気に入りの場所がそちらこちらに散在している。
気安いお客さんや商店主が多く、たまにきても地元にいるような錯覚を覚える。
僕はこの商店街が大好きだ。
 
今は80キロ程離れた場所に住んでいるが、ここで用事を足すこともシバシバある。
国道大手筋の交差点、蘇生会病院の角を曲がると、地元に帰ってきたような気持ちになる。
ミスドドトールマクド、モス、サンマルクといったチェーン系のお店に加え、大黒ラーメン、サンチョ、日の又家具、浅野屋、シズヤ、鼓月、ジュバンセル、リンデンバーム、駿河屋、スーパーは生協やイオン。
20年もお世話になっているお店がたくさんある。
商店街のなかにユニクロと無印があれば、いうことなしだ。(付近にはある)
 
いつまでも活気に満ちた商店街であってほしい。
大手筋商店街よ永遠なれ!