〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

近江鉄道について


大都市間輸送という「ドル箱」を持たない地方私鉄である。

沿線に工場が立地し通勤客が、周辺は地方としては学生・生徒が多いなどの要素がありなんとか存続している。

近江鉄道自身の経営も素晴らしいものがある。中古車輛、本社は廃校舎の再利用だった。

しかし安全には集中投資ー。

JR西の尼崎脱線事故前から自動列車停止装置(ATS)の導入を進め、事故後には、苦しい財布から更に、14カ所に追加整備。

人命重視のヒューマニズムは、公共交通を担う会社としては当然のことでもあるが、注目に値するのは、同社鉄道部長高木氏の次の言葉。

一度でも事故を起こしたら会社がつぶれるから、安全面だけは節約できませんシビアな経営姿勢を物語る選択と集中の厳密なリアリズム。

まさに「辛苦是経営」。

こうでないと構造的に苦しい地方私鉄は存続できない。

「辛苦是経営」を徹底できなかった地方鉄道のなんと多いことか!!

そして懐かしむべき故郷の風景を奪われた沿線住民のなんと多いことか!!

地方公共交通機関の救世主といわれている両備ホールディングスの会長も「近江鉄道さんは非常にがんばっている地方私鉄だ」との旨、おっしゃていた。

 

鉄道事業というもは今日「赤字が出て当然のビジネスモデル」となっているらしい。

朝日新聞はこの地方鉄道をこう賞賛している。
ドル箱路線もない、地方の私鉄が1世紀を超えて生き残った「奇跡」は、近江商人の知恵が経営に生き続けているから起きたのではないか――。そう思えた。
 

まったく同感である。