パリのアーケード「パッサージュ」をイメージしてデザインされたアーケードを持つ商店街。
「パッサージュ納屋町五番街」という愛称を持つが正直、定着はしていないようだ。
納屋町商店街の歴史は古く、豊臣秀吉の伏見城築城と同時、伏見開府に遡る。
400年以上の歴史があるということになる。
納屋町は規模は小さいが、かつては洛中の錦市場に擬され、「伏見の台所」と呼ばれた。
八百屋、魚屋などの食料品店や生活雑貨店が多く、買い物客で賑わった商店街である。
平成一桁の頃の大手筋界隈にではまだ、「食料品は納屋町で買うと安い」といった評判があった。
当時は長崎屋があったが、衣料品を中心とする珍しい総合スーパーだった。
食品を扱う店が多かった納屋町では競合することが少ない業種であった。
長崎屋でCDやバック買うついでに、納屋町で買い物ということもあり共存関係だった。
長崎屋の跡地は現在は大きなマンションになっている。
平成の後半から空き店舗で目立ち始め、シャッター通りの様相を呈していた。
現在は空き店舗に飲食店が立地しはじめた。
現在、同商店街で最も有名なお店はササキパンさんだろう。
最近はちょっとハヤイ感じの個性的なお店が新規出店している。
おそらく戦前から続く川魚や八百屋、漬物店のとなりに、オシャレなバルやバーという多様さこそが伏見らしく、大手筋界隈らしくていい。
この街に仕掛人はいらない。
多用な個人や団体の一見無秩序な集積と協調こそが、この街を魅力的にし、活力をうみだし、衰退することになく400年以上の命脈を保つ街としてきた。
納屋町商店街はいろいろと集客のためのイベントもやっていることが成功しつつある。
報道によるとラーメン店が数店舗まとまって進出する予定があるらしい。
復活をとげつつあるということだろう。
今後も楽しみである。