完成した鉄道の跡かつて存在した江若鉄道の終着駅の跡。
旧江若鉄道の駅舎で唯一現存する建屋だそうだ。
長らく再利用されて来たが、耐震の関係から解体される予定らしい。
江若鉄道はその名のとおり、近江と若狭を結ぶことを目的として敷設された。
官鉄ではなく沿線の大商人などが出資した。
大津から順次延伸していき今津に至るが、それ以降は延伸されることはなかった。
鉄道会社を創業して営業を軌道に乗せるというのは何人でもなしうることではない。
経営者には資金と運営能力が求められ、従業員もある程度の素養がなければ務まらない。
近江・湖西の人々はこれらを持ち合わせていたのだ。
湖西における鉄道敷設の要望は、一度は国に却下された。
ならばということで自費をもって江若鉄道を敷設した。
これをうけて、江若鉄道は廃止されたのである。
つまり江若鉄道は営業的に行き詰まり解散したのではない。
法人の解散の要件に「目的の達成または不達成」というのがある。
多くの配線となった鉄道会社は「目的の不達成」となり解散した。
しかし江若鉄道は「目的の達成」により法人を解散したのだ。
近江と若狭を結ぶという目的を達成して終わったのである。
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