僕の故郷山形では進学や就職などで大きく3つの選択肢がある。
1 地元(県内)
2 東京はじめ主に南関東
3 仙台
近年「東京」「地元」ルートが小さくなり「仙台」ルートが大きくなったように思う。
三全総が「定住圏構想」をかかげ、地方の時代の到来が待たれてから40年を超える。
かつて、日本が工業に力を入れていた頃は、三大都市の時代・六大都市の時代と言う地方の華々しい時代を迎えた。
「札仙広福(さっせんひろふく)」という言葉がある。
文字通り、札幌・仙台・広島・福岡の頭文字を並べた言葉だ。
これらの都市は、大阪・名古屋が都市としての機能を衰退させつつある今においても、成長を続けている。
例えば九州や四国の高校生が就職で大阪や名古屋に出ることが、高度経済成長期には普通であった。
しかし現在はどちらかと言えば、福岡や広島あるいは岡山など地方中核都市に出ることが多いのでないか。
札仙広福は、それぞれ北海道・東北・中四国・九州の中心地として都市機能を拡大させている。
周辺山間部の村が過疎化に悩まされる中、これらの都市は人口増加を続け、全ての都市が政令指定都だ。
札仙広福が地方の成長都市としての共通項の他に、共通する点がある。
支店経済都市である事である。
宮城県の三大企業と言うと東北電力・トーキン・七十七銀行である。
電力会社はどの地域の経済連合会においても筆頭となるものであるが、後の二つは東北以外の人は知らない人がほとんどではないか。
東北人でも東北電力以外でお世話になっている会社はない人がほとんどだ。
ちなみに大阪の関経連筆頭3社は、関西電力・パナソニック・サントリー(あるいは住金だった)であり関西以外の人でも関電以外のお世話になっていない人は少ないだろう。
都心に高々と並ぶビル群は、「メガバンクの仙台支店」「NTT東日本東北支社」「生保の仙台支店」。
東京に本社を構える企業の支店・支社である。
多くの企業が仙台に支店を配置し、東北の中枢として都市機能を向上させてきたのである。
何か植民地の首都のようである、
関西に住んでいた頃は、朝のテレビ番組と言えば「おはよう朝日です」であった。
福島の大阪タワーで収録されており、桂べかこが大阪周辺の店に行って、そろばん片手に「今日はこれまけてぇなぁ」と言っていた。
他にも大阪発信の番組が多く、テレビと言うのは地方毎に独自の番組をしているのが当たり前だと思っていた。
しかし仙台で収録している番組を探すことが大変だ。
多くの番組が東京から発信される。
東京で番組を制作している人はなんとも思わないのだろうが、仙台で東京の番組を見ていると腹立たしく思う事が多々ある。
朝の番組で最後に屋外に出てパーソナリティが快晴で暑くなりそうだ、と言っていても仙台は涼しい。
台風が通過したと行っても仙台はいまから来ると身構えている。
レポーターが美味しいお店を紹介しているが東京のお店にハンバーグ食いにだけに行く酔狂は少ないだろう。
きわめつけは仙台でテレビをみているのに「はるばる塩竈までやってきました!」って、、、。
地元の八木山ベニーランドという遊園地は、地元仙台の情報番組が取り上げた翌日は何もかわらないが、東京の情報番組が取り上げるた翌日には売り上げが如実に上がるという。
例えば「ひらぱー」をフジテレビが取り上げてもとりたて集客には影響ないはずだ。
それよりも地元朝日放送「おはよう朝日」で取り上げたほうが集客はよくなるはずだ。
関西の人間にとってはやたら「お台場」を強調するフジテレビの番組を流す関テレより、自社制作の割合の高い毎日放送と朝日放送を見る人のほうが多いだろう。
おそらく仙台以外の地方中核都市も同じなのだろうな。