〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

はとや@長浜市木之本町木之本


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10年ほど前に「つるや」さんと間違って訪問。
店の方の話では、私以外にもそういうおっちょこちょいがいるらしい。
でもそのときに買ったパンが大変おいしく、しかも安かった。
以来10年以上も通っている。いまでも会計時に「うそでしょ!?」って一瞬思うほどに安い。
ここのパンは何か新しいことをやっているわけではない。
必要なことをしっかりやっている。特にデニッシュ系のパンがおいしい。
生クリームとあんこをデニッシュ生地のパンでくるんだ「ミニあん」というのが、特においしい。
生クリームを使っているので、夏季は出ていないのがおしい。
サンドイッチもどれも安くておいしい。通い始めた頃は、おばあさんが店番をしていた。
店の軒先にツバメが営巣したのを「かわいらしいな、去年の巣造ってなぁ。」なんてうれしそうに言っていた。
おばあさんがお亡くなりなった後は、おじいさんが店番することが多くなった。
湖北のご老人らしくヤンマーの帽子を被っていることが多かった。
老人らしからぬ若々しい目、好奇心の強そうな目ををした飄々として言葉や所作が丁寧な方だった。
近江に通うようになって間もない頃で、自分がしっている農村の年配男性(多くの場合横柄)とは随分違った雰囲気であることに驚いた。
さすがは半農反商の歴史の長い近江だ、と感心した。岐阜県に住んでいるころは、まだ「酷道」だった国道303号を越えて通っていた。
ああ、近江に来た、と感じられる場所だった。
パンを買って塩津浜の公園でいただくと、大変に満足でいい休日のように思えた。おじいさんとネコが店番をしていたことがあった。
ああ、故郷の駅の近くにこの店があったら、どんなに懐かしいだろうか、としみじみ思った。
おじいさんとネコが店番をしている田舎の駅前のお店、聞いただけで堪らない。
「うちはもう一匹ネコがいるんやど、折り合いが悪くてなぁ。店へ逃げてきたんやぁ。すんませんなぁ」
「なでさしもらってええですか」
「あぁ、どうぞどうぞ。かわいがってください」
(なでー、なでー)
と懐かしい想い出がたくさんある。ふと気が付いたのだが、このお店はいつ行ってもやっている。
当然、土日に行くことが多いが、個人商店で土日の臨時休業がほぼない、というのは大変なことだ。
このあたりも大変素晴らしい。

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