〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

海上自衛隊第1術科学校(旧海軍士官学校)@江田島市江田島


世界三位の海軍の士官を育てた場所。
ある雑誌で「旧海軍士官学校」と紹介されていたが、誤り。
帝国海軍士官候補生が学んだのは「海軍兵学校」である。
これに対して帝国陸軍士官候補生が学んだのが「陸軍士官学校」である。
海軍兵学校」の入学選抜考査の合否判定にあたっては、軍事技術者として有用かのみが問われた。
原則、家柄は関係なかった。
爵位持ちや大地主つまりは高額納税者の子弟でなくても、一定の試験を通過すれば帝国海軍士官候補生になれた。
但し伏見宮のような皇族であれば話は別だったかもしれない。
戦前の日本社会において海兵や陸士に入ることは、社会的上昇の有効な方法であった。
同じく社会的上昇を期待できる帝大の卒業には相当な金銭が必要だった。
これに対して海兵や陸士は、学費や寮費は国費で賄われたばかりか、俸給まで付いていた。
故に旧帝国軍は裕福でない家庭の子弟まで含めて、優秀な人材をリクルートすることができた。
一般社会よりも軍隊が「平等主義」「能力主義」なのは戦前の日本に限ったことではない。
現在の発展途上国も同様である。
軍は非特権階級の出自をもつ士卒が多い。
多くの貧しい一般民衆を味方につけた軍がクーデーターを起こし、特権階級の政権を打倒することが繰り返されるのは、こう言った理由による。
戦前の陸軍のクーデター未遂も事情は同じである。