近江らしい周囲の風景にそぐわないコンクリートのオールドモダンな雰囲気の建物。
気になって調べると農協の建物のようだ。
なぜこの地に現代建築の写真集に出てくるような建物があるかは不明だ。
コルビジェっぽい。
建物というよりは現代アートのオブジェのような雰囲気。
遠くからみても目を引くが、近くまでいくとさらに圧倒されるものがある。
おそらく1960年代の建築ではないか。
既にかなり古くい建物であるが、力強く佇んでいる。
佇む、と言う表現がぴったりとくる外観である。
コンクリート造りでタイルを張り合わせている。
嫌いじゃないが施工まで至るのには勇気いるだろう。
加えて農協事務所はある程度公共性を持つ場所でもある。
そして組合員は基本的に保守的であるはずだ。
できた当初はたまげただろう。
あるいは伝統的なものをよく保つ一方で、先進的なものを好む風土を持つ近江人のこと、拍手喝采、このような建物を持ちえることを誇ったかもしれない。
南蛮伝来の鉄砲という道具の意味を、即座に理解して改良して産業化したのは近江人だ。
いまでもパソコンやスマホ所有率は全国トップ。
還暦を既に過ぎたご老人が、スマホでドローンを操作して田んぼに農薬を散布するような土地柄だ。
となりの旧船木郵便局の建物もクラシカルで雰囲気がよい。
船木とはそういった土地柄なのだろうか。
多くの古く価値のある建築物がそうであるように、耐震上の問題があろうかと思うが永らく保存及び利用してもらいたい。
2018.8 建物は既に解体されていました。