〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

あいとうマーガレットステーション@東近江市妹


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道の駅の成功事例
10年以上継続的に通っている。
道の駅は地元の産品を全部陳列的な商品構成になりがちだ。
この道の駅は地元の産品にこだわらず、観光バスで大挙おしかけるオバちゃんらが欲しくなるようなものを売っている。
洒落たものが売っているのだ。
一例としてムレスナティーという紅茶の茶葉。
滋賀では紅茶で有名なスプーンというカフェが扱う前から、扱っている。
他に女性が好きそうなものが多い。
地元の品の比率は3割ぐらい。
ジェラートもやっているが、これも大変に美味しい。
順次提供するジェラートの種類を変えて、飽きられないように努めている。
これを外で食べると非常にうまい。
 
最初の駅長は西友出身の方だったとのこと。
クレーム対応は迅速に行い、販売した商品に手違いがあれば、大阪でも出向いて交換していたとのこと。
現在もおそらくそうだろう。当初は道の駅の本館ともいえる場所だけだった。
順次拡大して現在の規模なとなり、周辺に様々な施設が付属している。
スーパーのような造りとなっている野菜直売所も最初は車庫のような建屋でやっていた。
冬になると焼き芋の出店がでるが、最初は役場か字のテントを借りてやっていた。
そのうちに中古のテントの屋根に大きくお芋の絵、さらには専用の新しいテントとなっていった。
無理のない経営をして、確実に拡大している。
驚くほど経営センスだ。
経営的に上手くいっていない道の駅も多いと思われるが、そういった施設の担当者にぜひ見ていただきたい。
 
この道の駅の経営には見るべきもがあるが、役場にスーパー公務員がいるわけでも、都会のコンサルに業務委託を出しているわけでもない。
この土地の人々がそういった経営センスを持っているいるのだ。
地下(じげ)の人々がである。
過大な初期投資と借入金を避け、小さく始め、得た利潤をもとに商売を拡大していく。
「利払いほど馬鹿らしいことはない」とは付近のご老人が異口同音に口癖のように言う言葉である。
 
「農協キャップを被り軽トラに乗っているご老人が、現金資産1億円を超えていることが普通にある。子供世代が家を建てると聞いたので、住宅ローンの勧誘に行ったが、現金で賄う旨を告げられた。住宅ローンが取れないと地銀としては辛い」
とは知り合いのバンカーの言葉である。
さすが近江商人の土地柄!と思わずにはいられない。
陳腐な表現だが事実なのだから仕方がない。
 
このように書くと、利に聡い小狡い連中が跳梁跋扈しているように思えるが、そうではない。
愛東マーガレットステーションは果樹を扱っていて京阪神などから来た街場の人々に人気だ。
当初からこの地は果樹栽培が盛んな土地ではない。
正直、果樹栽培に向く土地とも思えない。
歴史的な経緯から、近隣地域同士で不仲というか、あまり交流のない状態が長く続いた。
それではいけないということで、近隣地域同士で同じ果樹を作ろうということになった。
やがて同じ果樹の生産者同士の顔を合わせる機会も多くなり、情報交換や共同作業が増えた。
そして歴史的な経緯を克服したという。
結果、作られた果樹は地域に利益をもたらしている。
神か阿弥陀弥勒が与えてくれたご褒美というべきか。
なんとも素晴らしい物語である。
この道の駅は、そういった地域の人々の知恵と努力の結晶なのだ。野菜直売館の片隅に野菜直売館の営業開始時にとったと思われる、生産者さん達の集合写真がある。
かなり年配の生産者さんがうれしそうに手を上げたりして映っている写真である。
なんとも皆さん、いい顔をしている。
僕はこの写真がとても好きだ。
やはり近江の地は、近江人は偉大だ。

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追記
後日、どうしてもジェラートが食べたくなり、よらしてもらった。
改めて気づいたが、10年以上通っているが、常にトイレが清潔である。
こういった点も素晴らしい。

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