〜さざなみのおおやしま〜

何でも「少なく、小さく、軽く」が身上のミニマリスト。GAFAMの犬。楽天経済圏の住人。<サラリーマンのテーゼ>について考える。

岩脇蒸気機関車待避壕@米原市岩脇


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岩脇(いおき)の地名どおり硬い岩盤によって構成された岡があり、戦時中、隧道を穿ち機関車の待避所にしようとしたとのこと。
防空壕の機関車版ということらしい。
隧道は未完成のまま終戦を迎え、遺構は打ち捨てられ、ゴミ置場となり荒れ果てていた。
平成二十年代になり、地域の共通の記憶として保存活動が展開され、整備された場所となった。
自分の住んでいる地域に対する愛が感じられるほど、よく手入れがなされている。
四畳半程度の資料館が附属している。
資料館の中に年表があり、干拓事業に米・豪の捕虜の強制労働があったことを知った。
極東の国まで連行され苦役に従事させられた捕虜の方の気持ちを察するといたたまれない。
また米原にも大阪から疎開してきた人がいたらしいことも知った。
疎開してきた人々は、疎開先の住人にやっかい者・ヨソ者扱いされ、「田舎」が大嫌いになる、という話を聞いたことがある。
この地にきた大阪の児童さんはどうだったのだろうか。
郷土史的に興味深い。
岩脇の方が非常丁寧に「手入れ」やっておられるなと感じた。
素晴らしい。
 
岩脇の字へ入ってみて驚いた。
伝統的な近江風の家屋が多く、新建材の家も含めてどの家も奢るところなく、簡素で簡潔なのだ。
家屋まわりや庭も清掃や手入れが見事に成されている。
家屋周辺や庭に使わなくなった荒物、家電やトタン板、農業道具が出ている家が一軒もない。
庭木や生垣も手入れされている。
どの家も庭も簡素ではあるが粗末ではなく、よく手入れがなされ清浄で清潔である。
美しい。雑味がないのだ。同じ日本人でありながら「自分が育った字とは民度が違う」と思わされた。
こういった字で生まれれば、随分マシな人間になったと思えた。
やや卑下が過ぎるか。。。
大人になって苦労して獲得した作法や習慣が、空気を吸うように身についたのではないか、そう思えた。
そういえば岩脇山の麓にある公民館、稲荷神社も非常に綺麗に手入れがなされていた。
機関車避難壕の遺構自体より、整備・保存している岩脇の字の佇まいに鮮烈な印象を持った。
やはり近江は凄いなぁ。

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